2月3日の水曜日、久しぶりの「出前授業」に行ってきました。宮崎小学校の6年生2クラスです。
なぜ宮崎小学校に呼んでいただいたか、ドラマチックな話を聞いてください。
昨年の9月、宮崎駅の裏の文化公園で、JC主催の「みやざき国祭フェスティバル」が開かれました。ユニセフはパネル展とユニセフクイズで参加していましたが、小学生の女の子がクイズを解きながら「私たちの学校もユニセフ学校募金をしています。」といいました。どこの小学校か聞くと、宮崎小学校と答えたので、「今度は学校へ行って皆さんがしてくれた募金がどのように使われているのか、話をしに是非行きます!」と約束したのです。
それから、校長先生に上のエピソードを手紙に書き、是非とも宮崎小学校の生徒たちに、募金がどのように使われているか、ユニセフの活動の話をさせてください、とお願いをしました。
そして1か月もしない頃、6年生の担当の先生からお電話があり、打ち合わせに伺って、今日の日を迎えたというわけです。この日がずっと楽しみでした。
子どもたちにもその出会いの話をして、さあ授業の始まりです。
最初は、いつものパターンで、まず「ユニセフ手帳」の世界地図をみんなで見ます。
青く塗ってある国はどんな国かな? 白い国とのちがいは? 日本は? アジアで白い国を見てみよう。
6年生はとても反応がいいです。世界や社会に対する知識も少しずつ増えて、それらを総動員して私の話を聞いてくれている、そんな感じでした。
世界地図をひとまず置いておいて、ユニセフのDVD「シュヌンシュヌン」を見ました。
「シュヌンシュヌン」は小学校の高学年向きといわれていますが、その通りだと感じました。内容も「学校」のことがメインで、学校に行けない子どもたちのこと、中でも女の子が学校に行けない理由など、衝撃的だったようです。とても熱心に聞いてくれました。
DVDが終わると「ユニセフ手帳」を折って手帳を作ります。
手帳の1ページから、項目を追って、支援物資などを見せながら、ユニセフの活動のおさらいをしていきました。
手帳を作る作業も、大人が考える以上に子どもたちは楽しんでいます。
1.保健 ここで蚊帳を見せて、マラリヤから命を守る大切な蚊帳の話をする。「入ってみたい人!」というと、大勢がぱっと手を挙げました。
中に入って気分を味わってもらいました。これも大人が想像する以上に、興味があるみたいです。でも、途上国では、本当に命を守る蚊帳、なんです。
2.栄養 ここでは プランピーナッツ を見せて、栄養失調の赤ちゃんの話をしました。最近はピーナツアレルギーの子どもがいたりするので、試食はなしです。
3.水と衛生 ここで水瓶を見せました。小学校の授業時間は45分なので、なかなか重たい水瓶を全員に抱えてもらうことができません。DVDを見る前にあらかじめ水瓶やポリ容器の話をしておくと、効果的です。
4.教育 学校に行けない理由ってなんだと思いますか? やはり、「貧しいから」、という答えが返ってきます。小学校の場合はそれよりも、と言いながら、左下に書いてある理由のいくつかを読みあげます。学校が近くにないから、先生がいないから。ユニセフはできるだけたくさん学校を作る活動をしているし、先生の教育や派遣もしていること。 そして、家庭訪問をして、親に学校の大切さを話して説得する活動もしている。宮崎小学校は宮崎で1番目にできた学校だけど、その時延岡やら都城の人たちは、小学校へはこれなかったのだ、という話はよい例えになっただろうか。
5番目の「保護」という問題は難しくて、4年生などが対象の時はパスしているが、6年生だからやはり話しておこうと思った。ユニセフはこんな活動もしている。
6番目、最後は緊急支援の活動。これは、東日本大震災の時にも、学用品を亡くした子どもたちに配られた「学用品バッグ」を見せると、みんなとてもよくわかってくれる。
そして、最後にもう一度「ユニセフ手帳」の世界地図のページの左下を見てもらった。
日本も60年以上前の第2次世界大戦の後、ユニセフから支援を受けていた、という話。私もスキムミルク世代だ。
ユニセフは15年もの長い間日本の子どもたちを支援した。東京オリンピックを開けるぐらいの元気があったので、「今度はもっと困っている国の子どもたちに恩返しをしよう」とうことで、ユニセフ学校募金がはじまったのです。
今日の授業は最初の導入と最後を「ユニセフ学校募金」で閉めることができて、とてもよかった。と、自画自賛。
残りの数分で担任の先生は生徒たちに感想を発表させた。そのいくつかを書き留めておきたい。
・同じ年齢の子どもたちが困っているのを見て、もっと支援をしなくてはいけないと思った。
・大変な人がいることを知った。もっと募金をしていきたい。
・僕たちはいつも周りから「幸せなんだよ、贅沢だよ」と言われるけど、今日はその意味が分かりました。
・僕も役に立ちたい、恩返しをしたいと思った。
・今まで募金をするのがちょっと気乗りがしなかったけど、少し意味が分かって、もっとしなくては、と思った。
・ちょっとおなかがすいたなあ、と思ったけど、こんなこと考えてる場合じゃないと思った。
6年生ってやはりすごいなと思い、今日は感激の1日でした。
担当の先生方も、「よかった、3月の社会の時間にまた活かしたい、」と言ってくださった。
授業の機会を与えてくださった宮崎小学校の先生方、ありがとうございました。これからもユニセフの活動にご理解とご協力をお願いします。